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有限体、ガウス和

Hasse-Davenport relationに向け、ガウス和を別の形で書くことを考えてみる。


SをFq上のモニック多項式の集合とし、その部分集合S*
Sの元でFq上で既約な物の集合とする。
また添え字をつけたときは、その次数のものを集めた集合を表すことにする。
例えばS3*はFq上で既約な3次モニック多項式の集合。
またSの元fをf(x)=xn+Σ[k=1,n](-1)kckxn-k
と書いたとき、fに対してλ(f)=ψ(c1)χ(cn)と定めることにする。
また0次多項式1に対してはλ(1)=1と約束する。
この定義から、簡単な計算でf,g∈Sに対しλ(fg)=λ(f)λ(g)が成り立つ事がわかる。


このλを用いると
g(χ)=Σ[f∈S1]λ(f)とかける。
これはf∈S1はx-a a∈Fqとかけることから
Σ[f∈S1]λ(f)=Σ[a∈Fq]χ(a)ψ(a)
とかけることからわかる。


この表示法は拡大体Fqr上のガウス和を考える際に大きな効果を発揮する。
拡大体上のガウス和の各項χr(a)ψr(a)について
χr(a)ψr(a)=χ(Nr(a))ψ(Trr(a))
となるが、aのノルムとトレースはaのFq上での最小多項式を考え
そのa以外の根b(bはaの共役元という)については
Nr(a)=Nr(b)、Trr(a)=Trr(b)
となる事が、体の拡大Fqr/Fqガロア群が
q乗写像で生成されることからわかる。
かつ、χr(a)ψr(a)はλ(f)のベキで書けることがわかる。


ゆえに拡大体Fqr上でガウス和を考える際、Fqrを元同士の共役よる
同値関係によって類別すると綺麗になるのではないかと言う事が見えてくる。
このへんの証明は単純計算なので次の記事にまとめたい。