TKSS等の日記

日常時々数学競馬ラノベetc

ハッセ-ダヴェンポートの関係式

最小多項式etcについて


Fqrの元aについて、aのF上での最小多項式をfとする。
またdeg(f)=dとする。(d|rとなる。)
このときf(x)=Π[k=0,d-1](x-aqk)
とかける。よってこれを展開することで
f(x)=xd-(a+aq+…+aqd-1)xd-1+…+(-1)da*aq*…*aqd-1
となる。よって
λ(f)=χ(a*aq*…*aqd-1)ψ(a+aq+…+aqd-1)
となる。


また、χr(a)ψr(a)=χ(Nr(a))ψ(Trr(a))
について
Nr(a)=a*aq*…*aqr-1 となるが
aqd=aを次々適用すると
Nr(a)にはa*aq*…*aqd-1がr/d個現れることがわかるので
χr(a)=χ*1=ψ(a+aq+…+aqd-1)r/d
となる。ゆえ
χr(a)ψr(a)=λ(f)r/d
と書ける事がわかった。
また、このfの任意の根bについてb=aqjの形になることから
χr(b)ψr(b)=λ(f)r/dとなることがわかる。


ゆえχrについてのガウス
g(χr)=Σ[x∈Fqrr(x)ψr(x)
を考える際、まず和の取り方に次の工夫を加える。
Fqrに元同士の共役による同値関係を入れる。
この同値関係による類別の完全代表系をHとし
Hの元hの含まれる同値類をh~と書くことにする。
これにより
g(χr)=Σ[h∈H]Σ[x∈h~]χr(x)ψr(x)
と書き直せる。hの最小多項式をfhとすると
上の議論から、∀x∈h~について χr(x)ψr(x)=λ(fh)r/deg(fh)であるので
g(χr)
=Σ[h∈H](#h~)*λ(fh)r/deg(fh)
=Σ[h∈H]deg(fh)*λ(fh)r/deg(fh)
と書き直せる。


さらにh∈Hについてfhは既約多項式でその次数をdとするとd|r
またh,h'∈Hがh≠h'なら同値関係の定義からfh≠fh'である。
逆にd|rとなるdについてSd*を考え、その元の1つをfとすると
fはFqrで必ず解をもつので、∃h∈H,f(h)=0
ゆえHと∪[d|r]Sd*には1対1対応が存在する。
それによってg(χr)は
Σ[h∈H]deg(fh)*λ(fh)r/deg(fh)
=Σ[d|r]Σ[f∈Sd*]deg(f)*λ(f)r/deg(f)
=Σ[d|r]Σ[f∈Sd*]d*λ(f)r/d
と書き直せる。


よって拡大体上でのガウス和はもとの体上での既約多項式と密接に関係がある事がわかった。
次はこの表示の母関数を考察する。

*1:a*aq*…*aqd-1)r/d)=χ(a*aq*…*aqd-1)r/d とかける。同様にトレースについてもaqd=aを次々適用すると Trr(a)=a+aq+…+aqr-1=r/d(a+aq+…+aqd-1) となるので ψr(a)=ψ(r/d(a+aq+…+aqd-1