この辺のねたをチマチマと。
まず(SL(2、Z)についての)モジュラー関数と言うのは何ぞや、ということになるのですが、これは
まずfを上半平面H上で定められた有理型関数とします。
kを整数としfがウェイトkのモジュラー関数であるとは
γ∈SL(2、Z)によるHの元への作用、すなわち
について
を考えたとき
が任意のγ∈SL(2、Z)について成り立つもので、
さらにもう少し条件が付きます。
その条件とはfのフーリエ展開における性質です。
まず上の条件を満たすfは周期1の周期関数になります。なぜなら
について
となるからです。
ということで(細かい条件は省きますが)fはq=exp(2πiz)の級数として
展開可能ということになりますが、fのこの展開を
としたとき
qの負べきの項の係数が有限個をのぞいて0であるとき
fが無限遠において有理型であるといい、上の条件にプラスして
fが無限遠において有理型であることがモジュラー関数の条件となります。
この条件はfの無限遠での挙動を見るときに良くある1/z=wというような変換でなく
q=exp(2πiz)という変換をしてq=0のところの様子を見ているということを意味します。
変換の仕方の違いはH∪{∞}に通常とは違う位相を入れるということに由来しますが
とりあえず直接見えてはこないので、こういうもんだという事にします。
もし、fのフーリエ展開(qで展開されるのでq展開といいます)について
qの負べきの項がすべて0のになるとき、fは無限遠において正則であるといい
このときfはモジュラー形式であるといいます。
さてこのモジュラー関数たちはH上でSL(2,Z)で移りあうような点については
(cz+d)kの違いしかでないことになり、
本質的な違いはでないということになります。
では、本質的な部分はどこ? ということになりますが、それは
HのSL(2,Z)の左作用による同値類の完全代表系ということになります。
じゃ、この完全代表系はどうなってるんだ、ということになります。
実はこの完全代表系はHの元としてはH上で単連結になるようにとる事が出来ます。
これを(SL(2,Z)についての)基本領域といいFと書きます。
次にこのFがどのようなものかを調べることにします。
話は変わりますけど、はてなの保型形式の説明、字がなんか違和感ある。(保型型式になってる)
まぁこれはいいとして保型関数の説明は明らかに間違い。
ウェイト0の保型形式なんてSL(2,Z)についてどころか
その合同部分群についての保型形式まで考えても定数しか存在しない。
編集するのは面倒事を招きそうなので遠慮するけど。
追記
モジュラー関数、形式の使い分けは思ったより曖昧なのかも、
でもウェイト0のモジュラー形式=モジュラー関数はないと思うな。