TKSS等の日記

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差分方程式その3

ここらで書いておかないとグダグダになって忘れてしまう。
対数関数の差分化について


前回対数関数の差分化の一つとして
l(x)=l(nd)=Σ[k=1,n-1]1/kという関数を定めました。
これは確かに、差分方程式Δ+xl(x)=1/xを満たすのですが
離散的な点でしか意味をもたないためd→0での極限が考えにくいです。
d→0での様子を調べるため、多少強引ですがxを任意に一つ取って固定し、
dをx/m (m∈Z)とし、m→∞とすることでd→+0での様子をみることにします。
l(x)=l(md)=Σ[k=1,m-1]1/kとなるゆえ、l(x)はd→+0で発散してしまう事がわかります。
さて、発散してしまっては「良い差分化」とはいえません。
収束するように何かの項を付け加える必要がありますが、
それはどういうものなのか、という事になります。
ここで出てくるのがオイラーの定数γです。その定義は
lim[n→∞]{Σ[k=1,n]1/k-log(n)}となります。
調和級数の発散を押さえるというかたちで定義されていて
上での疑問を解決するのにぴったりである事がわかります。
ということでg(x)=l(x)+log(d)とおいてみます。d=x/mでしたから
g(x)=log(x)+Σ[k=1,m-1]1/k-log(m)となり
d→+0、即ちm→∞での様子を見てみると
g(x)=log(x)+γとなる事がわかります。このことから
L(x)=g(x)-γとおくと、これはΔ+xL(x)=1/xを満たし
かつd→+0である意味においてlog(x)に収束する関数になり、
対数関数のよりよい差分化であるという事が出来ます。


さて、離散的な関数であるL(x)を連続的に拡張するにはどうすればよいでしょうか?
これには差分方程式Δ+xf(x)=1/xの段階で上手くこれを満たすような
連続な関数を見つけてやるのがよさそうです。
ここでガンマ関数が再び登場することになります。
ここら辺で今回は終了。続きはまた次回ということで。