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SL2(Z)について その2

SL2(Z)有限生成であることについて


以下、昨日の結果からSL2(Z)の元Aについて、その成分はすべて0でないと仮定します。
A=\begin{pmatrix} a&b\\c&d\end{pmatrix}\quad SA=\begin{pmatrix} c&d\\-a&-b\end{pmatrix}
なのでAについて考えるときその成分について|a|≧|c|を仮定してよい事がわかります。
また、a<0の場合はAの代わりに-IAを考える事でa>0としてよい事がわかります。
これよりa>|c|としてよいことがわかります。このことからaを|c|で割って
a=k|c|-r (0≦r<|c|,k>0) と表せる事がわかります。
このk,rから
T^{-sign(c)k}A=\begin{pmatrix} 1&-sign(c)k\\0&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix} a&b\\c&d\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} a-sign(c)kc&b-sign(c)kd\\c&d\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -r&b-sign(c)kd\\c&d\end{pmatrix}
となり(1,1)成分が減った事がわかります。ですが

r c なので上の操作を再びする出来ません。そこでこれにSをかけてやれば

S\begin{pmatrix} -r&b-sign(c)kd\\c&d\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 0&-1\\1&0\end{pmatrix}\begin{pmatrix} -r&b-sign(c)kd\\c&d\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} c&d\\r&sign(c)kd-b\end{pmatrix}
となりcが負であれば-Iを掛けてあげればc>0となり
再び最初と同じ状況(c>r)に戻ります。
これらの操作は-I,S,Tを掛けていく事で行列Aの(1,1)成分と(2,1)成分の間での
互除法が出来るという事を示しています。
よってこの操作を繰り返せばなんか以下の後に(1,1)成分は0になるので
それは\langle-I,S,T\rangleの元であるという事ができ、
Aに、-I,S,Tをかけたものが\langle-I,S,T\rangleの元なのだから
A自体が\langle-I,S,T\rangleの元であると結論付けられます。
Aは任意のSL2(Z)の元としてよいので
\langle-I,S,T\rangle =SL_2(\mathbb{Z})が示せたことになります。


ここまで書いたが最初にa>0じゃなくてc>0を仮定したほうがよかったな。
a>0はあんまり効いてないや。
c>0はA,AS,の2つを考えればad-bc=1からそう仮定してよいことがわかる。


とまぁ大雑把な証明というかアルゴリズムを書いてみた。
この辺の話題でちょっと気付いた事があるので、もうちょっと考えてまた記事にしたい。