TKSS等の日記

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フーリエ変換

色々と悩まされたが、とりあえずオーソドックスにいくことにする。


まず定義。R,Cをそれぞれ実数体複素数体とする。
f:R→CをC級とし,任意のy∈Rに対し、次の積分
\large{{\Bigint}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f(x)dx}
が収束する時f^(y)と書くことにする。これはyの関数。
f^(y)をf(x)のフーリエ変換と呼ぶ。


また次のような関数のクラスを定義する。
f:R→CでC級かつ∀n,p∈N(自然数)に対し

x nf(p)(x)→0 (x→±∞)を満たす。

これらを満たす関数の集合をS(R)と書き、
S(R)の元を急減少関数と呼び、S(R)をシュワルツ空間と言う。
S(R)は無限次元の線型空間をなす


S(R)の元fに対してはそのフーリエ変換f^が常に定義できる。
まずこれを示す。


f∈S(R)にたいしBn,p(f)を次のように定める。
B_{n,p}(f)=\sup_{x{\in}R}\{(1+x^2)^{\frac{n}{2}}|f^{(p)}(x)|\}
f∈S(R)よりこれは常に有限の値をとる。(Rで連続であり仮定からx→±∞で発散しないから)
ゆえ
\;|\int_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f(x)dx|
\le\int_{-\infty}^{\infty}|e^{-2{\pi}ixy}f(x)|dx
=\int_{-\infty}^{\infty}|f(x)|dx
\le\int_{-\infty}^{\infty}\frac{B_{2,0}(f)}{1+x^2}dx={\pi}B_{2,0}(f)
となり、積分は任意のyについて収束する。


また重要な事実としてf∈S(R)⇔f^∈S(R)が成り立つ。
これを示すにはいくつか準備が要る。
まず
\hat{f}(y)={\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f(x)dx
について、部分積分を使って
\;{\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f(x)dx
=[\frac{i}{2{\pi}y}e^{-2{\pi}ixy}f(x)]_{-\infty}^{\infty}\;-\frac{i}{2{\pi}y}{\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f'(x)dx
=-\frac{i}{2{\pi}y}{\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f'(x)dx
となるので
y^k\hat{f}(y)=(\frac{-i}{2\pi})^k{\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}f^{(k)}(x)dx
が成り立つ。またf^(y)のyについての微分を考えると、e-2πixyf(x)はyで何回でも微分可能であり

e-2πixyf(x) = f(x) は可積分なので

\frac{d}{dy}\hat{f}(y)={\int}_{-\infty}^{\infty}\frac{d}{dy}e^{-2{\pi}ixy}f(x)dx=-2{\pi}i{\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}xf(x)dx
となる。
xf(x)はやはりS(R)の元であるので、上と同じ議論で微積分の交換が可能であるから、結局
\hat{f}^{(p)}(y)=(-2{\pi}i)^p{\int}_{-\infty}^{\infty}e^{-2{\pi}ixy}x^pf(x)dx
以上よりyn+1f^(p)(y)を考えた時、何らかのS(R)の元gのフーリエ変換としてかけるので、
任意のyについて有限の値をとる事がわかる。(上で示した)
このときy→∞としてもyn+1f^(p)(y)有限であるからynf^(p)(y)は0に収束せねばならない。
ゆえf^∈S(R)が言えた。


悩んでたのは、fが任意のxの負ベキよりも急速に0に収束するなら
そこからf'もその性質が示せるのではないかと言うことでした。
(ゼミでやってる本にはそれを匂わせる記述があった)
多分これは成り立たないと思う。反例をあげるには至らなかったが。


ゼミ用のノートをまとめたらこっちもさらに続きを書こう