TKSS等の日記

日常時々数学競馬ラノベetc

ガンマ関数 その3

時間もあるし、公式だけでもどうにか済ませてしまおう。


先に得たガウスによるガンマ関数の表示式を用いて
Γ(s/2)Γ((1+s)/2)を計算すると
\large\Gamma(\frac{s}{2})\Gamma(\frac{1+s}{2})=\lim_{n{\rightarrow}\infty}\frac{n!n^{\frac{s}{2}}}{\Bigprod_{k=0}^n(\frac{s}{2}+k)}\frac{n!n^{\frac{1+s}{2}}}{\Bigprod_{k=0}^n(\frac{1+s}{2}+k)}
右辺をsが分数にならないように整理すると
\large\Gamma(\frac{s}{2})\Gamma(\frac{1+s}{2})=\lim_{n{\rightarrow}\infty}\frac{2^{2n+2}(n!)^2 \sqr{n}n^s}{\Bigprod_{k=0}^{2n+1}(s+k)} 
となる。
Γ(s)の定義式のnを2nに書き換えたものを作るように変形すると
\large\Gamma(\frac{s}{2})\Gamma(\frac{1+s}{2})=\lim_{n{\rightarrow}\infty}\frac{(2n)!(2n)^s}{{\Bigprod}_{k=0}^{2n}(s+k)}\;\frac{2n}{s+2n+1}\frac{(2n)!!}{\sqr{n}(2n-1)!!}2^{1-s}
ここでウォリスの公式を思い出すと
\large \frac{(2n)!!}{\sqr{n}(2n-1)!!}=\sqr{\pi}
であったので、上の式の極限は
\large\Gamma(\frac{s}{2})\Gamma(\frac{1+s}{2})=\sqr{\pi}\Gamma(s)2^{1-s}
となる。


実は一般にs/p,(1+s)/p,・・・(p-1+s)/pという変数を持つ
p個のガンマ関数の積の場合へ拡張可能。
その際はいまウォリスの公式を使った部分がスターリングの公式に変わる。
つまりウォリスの公式ってのはスターリングの公式の一部であり、
ガンマ関数のある種の近似を与えてるわけか。なるほど。
そういやあスターリングの公式(あくまで階乗の近似としての)の証明に
ウォリスの公式を使う方法もあったはず。奥が深い。


ガンマ関数はここで締めておこう。豆知識をまとめておくと
ワイエルシュトラスによる定義が今日得たガウスの定義から
そう難しくなく得られる。がこれが1番階乗っぽくないような。
ガウスのなんかは階乗の方の見方を少し変えるとそれっぽく思える。
ワイエルシュトラス流を導けば、相補公式からsinの無限積が得られる。
よくある相補公式の証明ルートを逆にたどる感じだな。
面倒な収束性etcを一般論に押し付けられる分、見た目には楽になるはず。
sinの因数分解だと思って複素解析からそれを正当化しようとするとこれはかなり面倒。
全然触れなかった話ではガンマ関数の対数凸性等があるが、この辺は全くわからん。


次は先に進んでフーリエ変換関連でポアソンの和公式とかテータ関数にいくか
もしくは戻って指標の話にするかどっちか。多分前者。