やっとゼータ関数。かなりテクニカルですが、
それだけに唸らされます。
テータ関数のメリン変換を考えるが、積分の収束性の問題により次のような
補正項を加えた形のものを考える。
第一項、第二項とも積分はsの値に関係なく収束する。
なぜなら、第一項についてθ(t)-1は急減少関数の和であるのでこれは急減少関数。
(以前の議論からts(θ(t)-1)は任意のsについてt→∞で有界なので)
よって第一項はsの値にかかわらず収束。
また第二項目については、昨日示した結果から、θ(t)-1/√tはt→0で急速に0に収束するので
2項目の積分もsによらず収束する。
よって、f(s)は全複素平面で定義された正則関数、即ち整関数となる。
また第一項の積分について、
被積分関数は一様収束するので、和と積分の順序を交換して
という変形を得る。
第二項の積分について、Re(s)>1のとき
やはり昨日示した結果から、Re(s/2-1)>1/2となりθ(t)〜1/√tから、
被積分関数はt-1+ε (ε>0)とみなす事が出来るので
∫[0,1]ts/2θ(t)dt/t=∫[0,1]ts/2-1θ(t)dtは収束する。
ゆえ、二項目は
となるので、第一項目と同様に考えれば
ゆえ
となって、積分を1つにまとめられて
を得る。ここで、この積分にn2πt=xの変数変換を行うことで
となるので、少し書き換えて
よって
を得る。
いま、Re(s)>1を考えてこの式を導いたが、右辺に含まれる関数は
s=0,1を除いてすべての複素平面上で定義される。
また右辺を展開してΓ(s+1)=sΓ(s)の公式を利用することで
s=0は右辺において除去可能特異点であることも分かる。
s=1については高々1位の極であるので、留数を計算するとΓ(1/2)=√πから留数は1となる。
以上からこの等式によってRe(s)>1で定義されたリーマンゼータ関数ζ(s)は
s=1に1位の極を持つ以外の全複素平面で定義される関数へと解析接続されることがわかる。
また完備ゼータ関数ξ(s)=π-s/2Γ(s/2)ζ(s)について、
と表せるが、分数の項二つを見ると、これはsを1-sと書き換えても不変。
f(s)についてはt=1/xと置き換えてからテータ関数の関数等式を適用すると
となるのでこれもsを1-sとする書き換えによって不変。
よってf(s)-1/s-1/(1-s)はsを1-sとする書き換えによって不変であるので
ξ(s)=ξ(1-s)が成り立つ。即ち
が成り立つことが示せた。
上手く二つに分けられなかったのでかなり長くなってしまった。
ここまでお付き合いくださった方、ひとまずありがとうございました。
とはいえ、またすぐL関数とかやるかもですが。